AnotherVision Countdown Calendar 2018

AnotherVisionメンバーによる"Countdown Calendar"を2018年もお届けします

好きな物の話をしよう

どうもみなさんこんにちは。どやと申します。

AnotherVisionで3代目代表を務めていたり、謎を作ったりしています。


ほんとは15日に投稿する予定だったんですけどね…2週間も遅刻してごめんなさい。*1
主にアナビフェスとか他の謎解きの制作とかスマブラとかのせいです。

なにか謎の話でも書こうかな~とか思ったりしたのですが、まじめ成分は去年の記事で出し切ってるし真面目な記事は他の人がいっぱい書いてるので、今年は私的なことを好き勝手書こうかなと思います。

(去年の記事↓)

これまでのAnotherVision、これからのAnotherVision - AnotherVision Countdown Calendar2017

 

表題の通り、この記事では僕の好きなものを徒然なるままに書かせていただきます。普段あまり好きな分野の話とかしないのですが、自分の趣味嗜好をさらけ出すのも悪くはないかなと。

合わせて僕の好きなものを知ってもらって他の人からオススメもらえたら幸せだし、「僕もこれ好きだよ!」とか「これのおススメ教えて!」とかあったら喜んで反応いたしますので、ぜひTwitterご存知の方は感想ください。

そして(これは書き終わった後に書いてますが)列挙してみると、案外僕の思考のルーツだったり、好みの方向性だったりが見えてきました。自分自身を分析するというのもなかなか興味深いものです。僕の好きなものに興味はなくても僕の考え方に興味がある方は(そんな人いるか?)ご一読ください。

 

■好きな作家

米澤穂信(米澤穂信 - Wikipedia)

読書家って言うほどではないですが、どやはミステリをそれなりに嗜んでいます。中高生の時は古典から最近の物までむさぼるように読んでいました。その中でも一番好きな作家が米澤穂信先生です。

代表作として有名なのは『氷菓』から始まる『古典部シリーズ』でしょうか。数年前に京アニでアニメ化もされていたので、知っている方も多いんじゃないのでしょうか。


好き担った原因はいろいろあると思いますが、米澤先生の描くミステリにおいて僕が最も素晴らしいと思うのは「ロジック」「発想の飛躍」のバランスです。

あくまで個人的な見解ですが、ミステリって必ずしも「読者が解けること」が前提ではないと思っています。解決編で唐突に提示される証拠や、突拍子もない論理で事件が解決されたとしても、「不可解な状況を解決する」ミステリ小説として、成立はしていると考えます。解ける可能性があるかどうかは読んでみないと分からない、という点で謎解き公演とは一線を画していますね。

が、そこは哀しいかな謎解き好きの性。やはり読者が考えれば真実に辿り着ける物語の方が楽しんで読めますし、推理が当たった瞬間はやはりうれしいものです。
推理の過程において、ロジックが「読み手を正解に導くもの」、発想の飛躍が「読み手を正解から阻むもの」と捉えるなら、そのバランスが取れているものはまさに理想的な「大謎」だと思います。
米澤先生の小説は、その二つのバランスのとり方が絶妙なのです。矛盾している事実をそれとなく忍ばせ推理の手がかりとしている一方で、最後の真実にたどり着くためには閃きそうで閃かない発想の飛躍を用意しておく。

その結果生まれるのが、「解けなくて悔しい」という心の揺さぶりです。

解けそうで解けない、でも頑張れば解けたかもしれない、閃いたかもしれない。
まさに謎解き公演に参加したときのようなそんな気持ちを読後抱かせてくれます。
謎解き好きの皆様*2にこそぜひ読んでいただきたいです。

以下、どやの個人的オススメです。
↓↓↓↓↓↓


ガチガチのミステリが読みたい方
インシテミル*3(文春文庫)
 
青春のほろ苦さを感じたい方
さよなら妖精』(創元推理文庫


尊さ(?)を感じたい方
小市民シリーズ『春季限定いちごタルト事件』(創元推理文庫

 

 

(こんな感じでサクサク進めていきます)

 

 

■好きなゲーム

パワプロクンポケット』シリーズ

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(公式サイトが吹っ飛んでたので拾い画です)

僕の青春はパワポケとともに過ぎていきました。
周りがポケモンに興じている中で別のポケットに熱中していたわけですね。

パワポケがどんなゲームか一言で表すのなら

「超展開バトルアクションギャルゲRPG野球ゲーム」

です。(一言…?)

 

もうちょっと詳しく説明すると、ゲームの中で女の子と付き合ったりカーチェイスをしたりサッカーをしたりします。


ゲームのジャンルの広さがしばし揶揄されることもありますが、その何でもアリ感に少年時代の僕は見事にはまり込みました。(今だとどうなんでしょう…子供の時の僕は寛容だった)

バトルの熱さ、キャラの可愛さ、RPGの達成感、そしてなんだかんだ言って野球ゲームとしての試合の楽しさ。いろいろなゲームの面白さを一度に楽しむことができたのではないかと思っています。

ゲーム性に加えて、シリーズで共通した世界観を持っているので、少しずつ進んでいくストーリーも子供心をくすぐるものでした。だいたい僕が始めたころ(シリーズ8作目)からは、大企業同士が超能力者やサイボーグを使って争うお話が展開されていきました。(野球ゲームとは)
前作からの伏線や少しずつ解き明かされる謎など、やはり少年時代からミステリ好きの血はあったのか、毎年ワクワクして読み進めていました。

 

そして何より僕に影響を与えたであろうものは、登場人物たちの”思考”です。


シリーズ7作目に登場する悪の組織(なんで野球ゲームに悪の組織が出てくるんでしょうね)の人間に、黒野博士という人がいます。その黒野博士と主人公の間で、「正義」に関するこんな会話が交わされます。

黒野博士:“正義”の反対はなんじゃな?
主人公:悪じゃないんですか?
黒野博士:悪の反対は善、善の反対は悪じゃ。正義の反対は、別の“正義”あるいは“慈悲・寛容”なんじゃ。
正義とは、人の従わねばならん道理を言う。”正義を行う”となれば、道理を守らせることにもなる。
主人公:それはいいことなんですか?
黒野博士:それは必要なことじゃが、問題は道理が一つでないことじゃ。“殺すな・奪うな”までは殆どの思想で共通じゃが、その先はバラバラじゃ。
“男女は平等”かもしれんし、“女性は守るべきもの”かもしれん。
“どんな命令にも従う”が正義なら、“悪い命令に逆らう”のもまた正義。
主人公:じゃあ、なにが正しいんですか?
黒野博士:みんな正しいんじゃよ。道理に関する限り、正しい事は一つと限らないんじゃ。

 「正義の反対は別の正義」これは今でも僕の考えを支える一つの土台となっています。


他の人と意見が対立するときってどうしてもありますよね。そのとき僕は「どちらかが正しい」と思うのではなく、「自分も相手もどちらも正しい」と考えています。

どちらも正しくて、どちらも(相手の目線から見れば)間違っている。
自分と相手の正しさの尺度が違うからこそ、「相手はどのようにものを見ているのか」を常に推し量ることが大切だと思っています。

単純に相手の正しさを認めるのではなく、納得するわけでもなく、「相手には自分と全く異なる視点があるのだ」と考えることが、よりよい意見・多角的な意見を築くためには重要なのではないでしょうか。
「正しいことは一つとは限らない」。案外当たり前のように思えて、普段忘れがちなことだと思います。

 

登場人物は千差万別、癖のあるキャラクターも多く、いろいろな考え方・理解できない思考をしています。
だからこそ少年時代の僕は様々な考え方を目にできたのではないかなと思うわけです。

 

やっぱりパワポケって素晴らしいゲームですね!(ぶん投げ)

 

 

 

 

■好きな漫画

『ib -インスタントバレット-』

maoh.dengeki.com

 先ほど僕の考えの根幹に「正義の反対は別の正義」というものがあると言いましたが、もう一つ、僕が常に意識していることがあります。

「人間は矛盾する生き物である」という考えです。
 

普段はおかしいと思っていることを、感情的になって行ってしまう。
損すると分かっているのに、見栄を張って嘘をついてしまう。
もしくは、矛盾した行動を起こしているのにその事実にさえ気が付かない。

『ib』は、そんな矛盾した人間を描いた物語です。

 

 

生い立ち、境遇、トラウマ。様々な理由からこの世界を憎み、壊したいと思う少年少女たち。
そんな彼らに、本当に世界を破滅させる異能力「ib」が与えられます。

世界を壊したいのに、失いたくないものがある。
愛したいのに、突き放してしまう。
優しくなりたいのに、優しくなれない。

 

恐ろしい能力を手にしたからこそ浮き彫りになる人間の矛盾、人としての弱さに僕はとてつもなく惹かれました。

もともとは無料の漫画サイト(合法だよ)で全話を読んだのですが、「この物語を書いた人に金をつぎ込まずにいられるか」と思って全巻購入しました。
それぐらい面白かったという事です。

僕と同じように作者さんに貢いでくれる人が増えることを祈ります。

 

 

ちなみに、残念ながらこの漫画は5巻で打ち切りになってしまっているのですが、作者の赤坂アカ先生は現在『かぐや様は告らせたい』という漫画を連載中です。『ib』と打って変わってこちらはラブコメものですが、超絶面白いしニヤニヤが止まらないので興味ある方は是非こちらもお読みください。
来年の1月からアニメも始まります。

連載漫画『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』|週刊ヤングジャンプ公式サイト

 

 

■好きなアニメ

『少女☆歌劇レヴュースタァライト

revuestarlight.com

ぶっちゃけ言うとこのアニメについて語りたいからこの記事を書きました。

レヴュースタァライトはいいぞ。

 

聖翔音楽学院という舞台学校に通う9人の舞台少女。
日夜舞台に立つべく練習に励む彼女らは、ある日学院の地下で開催される不思議な”オーディション”に参加することになります。
そこで行われるのは、舞台少女1対1で繰り広げられる”レヴュー”。歌とダンスで織りなす魅惑のレヴューに勝利し、最もキラめくことのできた少女は”トップスタァ”として運命の舞台に立つことができます。

果たして最後にトップスタァに輝く少女は誰なのか…

 


…と、ここまで書いて「よくわからん」と思った人もいるかもしれません。
まあ半分は僕の文章力のせいだと思いますが、正直なところ僕も初めてこのアニメを勧められたとき「よくわからん」と思いました。

 

そして見てみて、最初に抱いたイメージと全く違うことに気付かされます。


僕が一番わからなかったのが、「最もキラめくことのできた」というあいまいな勝敗の基準でした。キラめきってなんやねん。

実を言うと、レヴューの勝敗は歌でもダンスでもなく、「自分の衣装の前掛けを落とした方の負け」という非常にシンプルなルールにゆだねられています。またそのために、舞台少女は各々武器(片手剣とか薙刀とか)を持ちレヴューに挑みます。

歌もダンスも関係ないじゃん、バトルものなの?と思うでしょう。

でも僕は、このレヴューは単なる身体能力による戦闘ではなく、少女たちの誇りを賭けた戦いなんだと思っています。

 

頂点に立ちたい。
好きなあの子と一緒にいたい。
大切な思い出を守りたい。


少女たちが舞台に立つ理由は人それぞれです。それぞれに大切にしている思いがあり、誇りがあります。
互いの思いがぶつかる瞬間、身体能力や物理法則を越えた魂と魂の闘いが始まる。それが”レヴュー”なのでしょう。


本来、その思いや誇りに大小や優劣はないはずです。しかしこのレヴューでは必ず勝敗をつけなければならない。


その残酷で、だからこそ美しい闘いが見るものを惹きつけるのでしょう。

思いと思い、誇りと誇りのぶつかり合うレヴューは、各話ごとにオリジナルの劇中曲と合わせて繰り広げられ、非常に熱い勝負となっています。
全体のストーリー構成に関しても秀逸で、7話から始まる驚きの展開とその伏線の巧さは、何回見ても唸る物があります。(謎解き好きの人も楽しめるんじゃないかな)

 

そしてなんと、12月27日~1月6日までYouTubeにて全話の無料配信が行われています!!

【期間限定】TVアニメ「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」全話公開 - YouTube

 

これはもう神が見ろと言っているに違いない。見ましょう。


ちなみに僕のおススメは第5話「キラめきのありか」です。お話の分かる人はぜひ語り合いましょう。

 

 


SHIROBAKO

shirobako-anime.com

 

このアニメは、端的に言えば「アニメを作るアニメ」です。


1つのアニメを作る上で、どんな人がどんな仕事をしているかを詳細に描いたアニメになります。

 

SHIROBAKO』が特徴的なのは、そのアニメ制作という現場を限りなくブラックに描いていることでしょうか。


発注先が納期を守らない。原作サイドが協力的でない。理想と〆切の板挟みになる監督…分野は違えど、制作に携わる人間としては見ているだけでも胃が痛くなります。

 

それでも僕がこのアニメを好きなのは、制作に関わる人たちが自分の仕事に誇りをもって取り組んでいるからだと思います。

 

監督・制作進行・原画・声優…アニメ制作には想像以上に多くの、いろいろな仕事があります。どの人も雑な仕事をせず、プライドを持ってこだわりぬいている姿がとても格好いいと思いました。

 

おそらくこれは謎制作でもそうだし、何か他の制作でもそうなのでしょう。
「何かを作ること」の裏には途方もない数の人が関わっていて、どこかの仕事が欠けるだけで成立しなくなる。
皆が誇りと責任を持って仕事をして初めて、素晴らしい作品というのは完成するのでしょう。


制作の辛さ・大変さを描くと同時に制作の楽しさ・やりがいもしっかりと伝えてくれる素晴らしい作品だと思います。

少しでも何かの制作に関わったことのある人はぜひ見てみてください!

 

 

 

まとめ

自分の好きなものを列挙してみて気付きましたが、たぶん僕は「多種多様な人間」を描いた作品が好きなんだと思います。
人にはいろいろな正しさがあり、様々な思想や誇りがあります。そんな異なる人たちがお互いにぶつかり、絡み合い、様々な人間模様を構築していく。そういう作品が好きなんでしょう。

もうちょっと簡潔に言えば「人間って全然違って面白いよね」ってことです。


もしそんな十人十色の人間を描いたアニメや漫画、映画などあったら、ぜひ教えてください。そして僕の好きなものと、これを読んでいるあなたの好きなものはまた違うでしょう。人間って全然違うから当たり前ですね。

 

今度は是非、貴方の好きなものを教えてください!

*1:でも2代目代表は1年ちこk

*2:これを読んでいる人はほとんど謎クラだと思ってます

*3:絶対に映画を先に見るんじゃないぞ!絶対にだ!