AnotherVision Countdown Calendar 2018

AnotherVisionメンバーによる"Countdown Calendar"を2018年もお届けします

僕の好きな「ゲームミュージック」と「体験」の話

※この記事はAnotherVision Countdown Calendar 2018 の記事です。

 

 

みなさん初めまして!

イロナと申します。

 

AnotherVisionで現在の副代表を務めております。

何卒、よろしくお願いいたします。

 

さて、本日お届けする記事は「ゲームミュージック」についての話です。

簡単に言えば、

「色々なゲームに登場するBGM」の中でも僕が好きなものを、僕自身のエピソードとともに、ご紹介しちゃおう!という自己満足的な記事です。

 

ついでに、ちょっとした考察も書いておこうかなと。

考察のキーワードは「体験」です。

 

さぁ、それでは早速、目次をご覧くださいませ。

 

 

【僕の好きなゲームミュージックを紹介します】

『くりきん』(2007)

みなさんは『くりきん-ナノアイランドストーリー-*1というゲームをご存知でしょうか。

2007年に任天堂から発売された、隠れた名作(と僕は思っている)ゲームです。

 

この『くりきん』のボス戦曲が、当時小学5年生の青木少年にとんでもなく刺さりました。

 

中ボス『四天王』戦

 

ラスボス『キンオブゴッド』戦

 

『くりきん』ってねボス戦がめちゃめちゃエグいんですよ

 

特に『キンオブゴッド』戦*2はまぁチートじゃねぇかというレベル。

べらぼうに強い。超強い。*3

 

挑んで、負けて、レベルあげて、挑んで、また負けて、3回目くらいでようやく勝てるかどうか(単純に僕がゲーム下手だったという説は十分にある)。

 

そんなわけで、この曲は何度も何度も何度も聞いていました。

敗北の記憶とともに。

 

すると段々、僕の中でこの2曲が「ボスに立ち向かう時のお決まり曲」になってくる。

誇張していうなら「世界を救う戦い」の最中はずっとこれを聞いていたわけです。

何度でも立ち向かう、その気持ちを高ぶらせてくれる曲として、この2曲があった。

 

そしてクリアした時=ボスを倒した時、ゴングとともに曲がピタッ、と止まる。

「やってやったぞ」という達成感、「終わった」という脱力感もまた格別だった。

 

この頃から「プレイヤーの体験を演出する」存在としてのゲームミュージックを、

本当になんとなく意識するようになっていきました。

 

 

 

さぁ、「小話」って言ったくせに最初からまぁまぁグダグダ語ってしまいました。

悪い癖が出てしまった。ぽんぽん行きましょう。

 

 

 

そして『くりきん』に出会ったのと同年(2007年)、またも僕は神曲に出会います

 

 

ポケモン不思議のダンジョン』(2007)

ポケモン不思議のダンジョン 時の探検隊/闇の探検隊』

ラスボス曲『けっせん!ディアルガ!』

これもラスボス曲なんですが、同じ『世界を救う戦い』の曲でも

『キンオブゴッド』戦とは違うカッコ良さがあります。

こちらはなんというか、「荘厳」「勇敢」というキーワードが似合いそうです。

あとこのラスボス・ディアルガもまぁまぁ強くて・・・というかまず時限の塔*4の敵が強くて・・・。

くりきんと同じ意味で、思い出深い曲の1つです。

 

 

そして、またも同じく2007年。

僕はついに「あのゲーム」に出会い、そして僕のゲームミュージック好きに

拍車がかかって行きます。

 

 

ドラゴンクエスト4 導かれし者たち』(2007)

ゲームミュージックを語ろうと思ったら、おそらく避けては通れないゲーム

ドラゴンクエストの登場です。


余談ですが、ナンバリング最新作『過ぎ去りし時を求めて』は神ゲーです。

30年の歴史を持つドラゴンクエストだからこそできる、ドラゴンクエストだからこそ成立するあのラスト。「ズルい(褒め言葉)」。

 

そしてドラクエといえば。

この動画の中でも流れているドラクエ「序曲」*5

これを聴くと「冒険が始まった!」って感じがします。

 

僕がこの曲を初めて聴いたのは4歳とか5歳の頃。

 

母がずっと『7』*6をプレイしているのを横で見ていたので、

ドラクエ自体、そして曲の存在はずっと知っていましたが、

自分自身で初めてプレイしたの、2007年に発売された『4』*7

リメイク版。

 

幼少期に聴いていた曲のゲームを、自分自身でプレイする。

ちょっとした感動がありました。

 

そんなわけで、2007年を境に青木少年は「ゲームミュージック」に

どっぷり浸かっていくことになります。

 

 

 

ここからは好きな曲列挙タイムです。僕が楽しいやつ。

 

レイトン教授と最後の時間旅行』(2008)

青木少年の「謎解き」の原点であり、初めて泣いたゲームでもあります。

クライマックスの胸熱シーンを彩るメインテーマと、

感動のラストシーンで流れ始める主題歌は必聴です。

ぜひゲーム本編で楽しんでほしい。

 

『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』(2012)


なんで俺は2からやったんですかね・・・。

みなさんはちゃんと1*8からやってください・・・。

しかし続編というのは、前作の曲のアレンジが多くあったりして、続きものの良さ*9があります。

まぁ、俺は逆順でやっちまったんだけどな!!

超ネタバレ食らっちまったわ!!!!!!

とはいえ、それはそれで「そう話が繋がっていたのか!」という、一種のアハ体験みたいなことができて楽しかったですよ。

 

ファイナルファンタジー X HD Remaster』(2013)

「泣けるゲーム」としてゲーマーの間では名高いFFX

『ザナルカンドにて』が流れ始めるめっちゃいい場面をプレイしていて

泣きそうになったちょうどいいタイミングで父親が部屋に入ってきたのは

いまだに許してません。

 

『宇宙怪獣からの脱出』(2014)


突然のリアル脱出ゲーム。

とはいえこれも「ゲーム」ですから、これも立派なゲームミュージックでしょう。

戦隊モノ感が溢れ出ていて良い曲ですね!!

まぁ、僕これ脱出失敗してるからアレなんですけど。

 

リアル脱出ゲームサウンドトラック第2弾まだかな・・・。

 

大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』(2015)


とにかくやってくれ。2までやってくれ。

シナリオの良さを引き立てる神曲の数々に聞き惚れてくれ。

2の最終章は手が止まらず、夜更かししてやってたせいで次の日寝坊しました。

寝坊自体は日常茶飯事ですけどね

スマホでも出てる*10からぜひどうぞ!

 

 

 

ゲームミュージックの「体験」の話】

本当に挙げようと思ったらいくらでも出てくるので一旦ここまでで。*11

ここからはちょっと、別の話をしようと思います。

 

ゲームミュージックは「体験」を演出してくれるかもしれない

昨今、ゲームの「主人公」という存在は、色々な形があります。

  1. 自分で自由に名前をつけ、自分の分身となったキャラクターを操作するもの。
  2. 名前や設定がすでに決まっており、そのキャラクターの物語をプレイヤーが追っていくもの。「神の視点」と言い換えられる?
  3. 自分自身のまま、ゲームの中の世界に飛び込んでいくもの。

などなど・・・。

いずれの場合でも、そこには主人公(あるいは「神」)≒プレイヤーという構図があり、

これらは(同じようにBGMを使う)ドラマや映画とは異なっているように思われます。*12

 

となれば、音楽にマトを絞って議論を展開するなら

ドラマの音楽が「画面/ストーリーの演出」に特化したものであるのに対し、

ゲームの音楽は「プレイヤーの体験まで包括しての演出」を担う可能性がある、と言えるかもしれません。*13

 

わかりやすいのは僕の『くりきん』です。

これらのBGMは緊張感のある重要局面に流れ、「ストーリーの演出」を担っていることは言うまでもありません。

しかし、僕が下手だったばっかりに『四天王戦』と『キンオブゴッド戦』は、(少なくとも僕にとっては)「ゲーム」としての枠を飛び出して「ゲームのプレイヤー自身の体験」までをも演出してくれたわけです。

 

「体験の演出」は偶然の産物

このような演出の効果自体は、制作者の意図したことなのかどうか。

それを知る手段はありません。

 

しかしどんなゲームにも、ゲーム内外を問わず「制作者の意図しないドラマ」はあります。それはきっと、ゲームの数とプレイヤーの数を掛け合わせた数だけあります。

 

例えば、ぼうけんのしょが消える。

例えば、ボスが強くて何度も何度も挑む。

例えば、いいところで親が部屋に入ってきて気まずくなる。いやもう本当に俺のFFXを返せ。

例えば、続きものだと知らずに2から始めて、1のとんでもないネタバレを食らう。いやもう本当に俺のダンガンロンパを返せ。

 

この「意図しないドラマ」にこそ、ゲームが生み出す「体験」の面白さがあるのかもしれません。

とすると。

ゲームが「意図しないドラマ」=「体験」を生むのであれば、ゲームミュージックがその体験を演出してくれるかどうかは完全に運任せなのかも。

その運を掴み取ったからこそ、『くりきん』は僕の中でとても強いのでしょう。

 

いや、なんかこんなところまで話が膨らむと思ってなかったから、ちょっと面白い。

 

なぜこの話を書こうと思ったのか

 

前半で色々な曲を紹介する際、僕は「僕自身のエピソードとともに」紹介していこうと言いました。

普通こういう記事であれば「それぞれの曲にはどんな良さがあるか」「その魅力とともに」なんて言葉がつくものでしょうが、今回僕はあえてそうしませんでした。

そもそもの話、もともと僕は楽器もやっていなければ、楽譜すら読めません。

いくら「好き」と言っても、音楽的な視点からゲームミュージックについて話すのはかなり荷が重いわけです。

しかし、それでも「ちょっとこの話を書いてみるかー」と思ったのには理由があります。

 

せっかくの機会だし、何か書いてみるかということで昨年のAVCC2017に引き続き書いてみることにしましたが、さぁ困った。書くことがない。

どうしようかなー、なんか曲でも聴きながら考えるかーと思って、紡ロジックの『Freedom』を聞いていた時。

 

「これでよくね?」と。

 

音楽についてはよく知らないけどゲームの曲についてなら何かしら書けるんじゃね?

ここ2〜3年で思うようになったけど、「自分が思っているより、人は自分に興味はない」。*14

なら別に、体裁とか気にせず好きなこと書いちゃえ。

書いてみたら、意外と面白くなるかも。ならなくても別にいいし。

音楽的な視点じゃなくて、自分のゲーム体験に合わせて書いてみるのなら、なんか書けそう。これでいこう!

 

かいつまんで言えば、

「好きなこと、喋れる視点で書いてみよう。そう思ったら、こうなった」

ってことです。綺麗な575。

 

そんなわけで書き始めてみたら案外楽しくなってきました。

ゲームミュージックの体験は運任せなのかも」なんて僕自身気づいていなかったことにも気づけて

 

とはいえ、これを読んでいらっしゃる方の大半は「なんやこのオタク。」でおしまいでしょう。

ごめんね、時間を無駄にさせて。

 

好き勝手書かせていただきましたが、もしこの記事を読んで、

「何か興味を出てきた!」

「このゲーム私もやってたから語りたい!」

なんて方がいらっしゃれば、もう御の字です。

僕の意図しないドラマがそこにあります。

 

 

ごめんなさい、テキトーなこと言ったかも。ごめん。

 

 

なんかダラダラ続けててもダレちゃいますから、この辺でおひらきにしましょう。

もし記事をお読みの、僕の知り合いの中で『くりきん』プレイヤーがいたらご連絡ください。

ウチのコアクマニアと戦いましょう。

 

 

【時間のない人はここだけ読んでね】

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AnotherVisionの公演を彩った数々の名曲がついにサウンドトラックになります!

 

懐かしいあの公演から記憶に新しいあの公演まで、年代別に収録!

アナビフェスにて販売開始です!!

 

あなたの「体験」は、どの曲に彩られていましたか?

 

明日の記事はAnotherVision3代目代表、どやさんです!!

*1:2007年発売。小さな生物「キン」と、それを取り巻く陰謀を巡る物語。公式サイトはこちら

*2:作中では「悪魔のキン」と恐れられている伝説のキン

*3:(伝わる人だけに伝わること書きますけど、サークリアもうちょっと前のタイミングで手に入らなかったかね。育成が間に合わない。本当に。どうなってんの)

*4:ディアルガが待ち構える最終ステージ

*5:ドラクエといえば!」というあの曲です。作曲のすぎやまこういち先生はあれを5分で作ったというから驚き

*6:エデンの戦士たち

*7:導かれし者たち

*8:ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』。今は1と2が一緒になったソフトも発売されているので、興味があればどうぞ!

*9:1の曲が続編で流れたりすると、エモかったりするじゃないですか

*10:こちらをチェック!

*11:他にもペルソナ5『Our Beginning』、Fate/Grand Order『運命~GRAND BATTLE~』、逆転裁判『追求~追いつめられて』、紡ロジック『Freedom』など色々あるんですが、全部列挙してたら今日中に記事出せないんで、ここまで。

*12:2はまだ近しいものがありますが、ゲームと違って勝手に進んでしまう(自分の意思とは無関係に進行する)という点でゲームとは違うと言えるでしょう。自分の意思を介入できないのならばそれは「神の視点」というより「第3者の視点」になる。

*13:結構時間がないので、この辺の議論は飛び飛びになっているかもしれません。ご理解いただければと…。また別の機会があれば丁寧に議論してみたい。

*14:僕が敬愛する人物、鷲崎健さんの著書『成すも成さぬもないのだが』より。